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自然海遠 2020/02/01 公開 2020/02/02 00:25 更新
明治18年、16歳の重雄が取り調べを受けた。小学校の元助教の景山英子が長崎で逮捕され爆弾を所持していることが発覚、東洋のジャンヌダルクと称され紙面を賑した。大阪事件と言われる。英子は重雄の初恋の先生だった。重雄は何とか無罪放免となり、家業の洋糖卸商を真面目に手伝うようになる。やがてイギリス商社の支配人にも気に入られ、新たに赴任してきた異邦人セシルを寄宿人として迎え入れる。17歳の妹小菊が抱いた淡い恋を重雄は後押しをし、家名の継承も考え何とか祝言の段取りをした。祝言を1週間後に控え重雄はその昔長崎に出港する景山英子から預かった荷物を処分しようとした刹那、大音響とともに崩れ落ちる。享年22歳、預かった荷物は爆弾だった。喪が明けて結婚し上海で身籠った小菊は長男壽を生み7年間の幸せな日々を送った。砂糖事業が下り坂になりセシルは日本を去り2年後上海で永眠する。壽に家督を譲り二度の結婚を繰り返し苦労して3人の息子を育てあげる。マレー戦争が始まりイギリスが敵性国家となると長男の青い目の壽は特高から猜疑心の目を向けられる。小菊は自身の因果の所為だと憔悴し自ら命を絶った。祝言の日の正装、指輪を握りしめ上海に出港した日だった。セシルのもとに旅立ったのだ。重雄の家名継承の道標がもたらした悲劇であった。
風史伝「小菊物語」を輔弼する風史外伝である。
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