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稀葉 2025/09/17 公開 2025/09/26 17:43 更新
世界を救った“元”聖女、言葉を失って追放。――居場所は食堂、相棒は不機嫌な剣士。過去と陰謀をほどきながら、もう一度〈生きる〉物語。
封印の儀の直後、異邦の聖女ミワは王太子リュミリエルに見捨てられ、言葉さえ通じないまま王都を追われる。路地で追っ手に囲まれた彼女を救ったのは、かつて共に旅した無口な剣士ノクスだった。
居候先は下町の食堂《カローレ》。温かな台所の匂い、 “あテテまる(あたたまる)”からやり直す接客、子どもたちの遠足の引率――失った言葉と自尊心を、ミワは一つずつ取り戻していく。だが町には再び瘴気の影。常連客の青年ガル、魔法師サヴィも巻き込み、ミワの“聖女だった過去”が現在へと侵入してくる。
語られるのは、勇者一行と旅した日々、そして禁書が映し出す古い神話――天の父神フィリウスと娘アストリア、王城が「神のゆりかご」と呼ばれる理由、そして“聖女の願いはひとつ”という厳しい理(ことわり)。真実に触れたとき、ミワは「救った世界のあと」をどう選ぶのか。ノクスは“聖剣の使い手”として、ただ一人の彼女をどう守るのか。
追放、再起、日常、政治劇、そして小さな手仕事とごはん。泣いて、笑って、立ち上がる。“世界を救ったそのあとで”を丁寧に描く、再生と恋と赦しのファンタジー。
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