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凪砂 いる 2026/08/03 公開 2026/09/08 07:00 更新
赤い髪の男が、七秒後に死ぬ。
辺境の砦で労働奴隷として生きていたティルア・ソルデヴィアは、まだ起きていない未来を視た。
死ぬはずの男は、中央魔導院から派遣された紅髪の魔導軍師、アネル・ブリューム。
「死なない手順を教えてくれ」
妖魔と蔑まれてきたティルアの言葉を、彼だけは迷わず信じた。
七秒先を詠むティルアと、複雑な魔術式を瞬時に断つアネル。
二人は力を重ね、砦を襲う災厄を食い止める。
さらにアネルは、ティルアを縛っていた不正な奴隷契約を破棄し、中央魔導院の解析官として迎え入れた。
初めて与えられた自分の部屋。
温かい食事。
名前と種族が正しく刻まれた魔紋証。
そして、何かにつけて服も食事も休息も「職務上必要な支給品」と言い張る、少し過保護な上司。
穏やかな日々の一方、中央魔導都では、時間を操る術が関わる不可解な事件が続いていた。
現場に残されるのは、円環を一本の針が貫く紋章。
それは十年前、ティルアの故郷と家族を奪った者たちが残した印と同じものだった。
滅びたとされるエオネ族。
封じられた北境の記録。
そして、未来を国家の管理下に置こうとする時律監察局。
過去を暴かれ、力を奪われそうになっても、ティルアはもう俯かない。
「私は白妖ではありません。最後のエオネ族にして、時詠みの魔術師――ティルア・ソルデヴィアです」
未来を見ることしかできなかった少女が、彼女の言葉を信じる軍師とともに、自ら未来を選び取る。
最後の時詠みと、紅き魔導軍師。
支配された未来を覆す、溺愛バディファンタジー。
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