ホラー 短編

結婚式で義母に飲まされたスープは、夫が私を身代わりにして死なせるためのものだった

熾星 2026/09/03 公開 2026/09/03 18:04 更新

あらすじ

 披露宴が終わったあと、親族だけが残る控室で、義母の佳代さんが古びた朱塗りの椀を持ってきた。

 中には黒糖のような甘い香りに、生姜と何種類かの薬草の匂いが混じった赤褐色の汁が入っていた。久世家では、嫁いできた女性が「嫁入り汁」を飲むのが昔からの習わしなのだという。

 私が手を伸ばすより先に、隣にいた直人の顔から笑みが消えた。

「母さん、美月が嫌なら無理に飲ませなくていいだろ」

 親戚たちは笑いながら、ただの縁起物だと言った。黒糖と生姜、それに身体にいい薬草が入っているだけだから心配はいらない、と。

 せっかくの結婚式で空気を悪くしたくなくて、私は椀を受け取った。ひと口飲むと、強い甘さの奥に、乾いた草の根のような苦みが残った。

 椀を戻そうとすると、佳代さんが私を見た。

「美月さん、最後まで飲んでね」

 親戚たちの視線が一斉に集まり、私は仕方なく残っていた汁を全部飲み干した。

 空になった椀を見た瞬間、佳代さんの肩からふっと力が抜けた。そして背を向ける直前、ほんの一瞬だけ笑ったように見えた。

 あとになって知ることになる。

 あの汁は、花嫁を祝うためのものではなかった。

ポイント

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日間ポイント 0
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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/25〜10/31(7日間)
ブクマ 6+1(7日間)
7 6 5 4 10/25 10/28 10/31
評価ポイント 390+8(7日間)
390 385 10/25 10/28 10/31

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
10/31 6 ±0 390 ±0
10/30 6 ±0 390 ±0
10/29 6 ±0 390 ±0
10/28 6 ±0 390 ±0
10/27 6 ±0 390 ±0
10/26 6 +1 390 +8
10/25 5 ±0 382 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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