ポイント
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
読者の反応
- ブクマ
- 0
- 感想
- 0
- レビュー
- 0
- 評価者数
- 0
- 平均評価
- [未取得]
- 週間読者
- [未取得]
ブクマと評価ポイントの推移
この作品はまだなろうファンDBに記録がありません。掲載から2日たつと、毎日0時ごろに記録を始めます。
総合ランキングの推移
順位を読み込んでいます…
みぎみみ 2026/11/03 公開 2026/11/03 13:26 更新
「わたし、たぶん死んでるよ。あなたの中でだけ生きてる、って意味じゃなくて。物理的に、まだ決まってないの」
三年前の事故で死んだはずの恋人が、いまも僕の部屋で鍋を作っている。
触れられる。体温がある。脈も数えられる。七十二だ。
幽霊ではない。
ただ、彼女が畳んだ洗濯物は、他人が見た瞬間に畳まれていなかったことになる。
財布のレシートは三十七枚すべてが二人分で、店員は誰ひとり、二人目を覚えていない。
やがて僕は知る。
三年前のあの実験は、「箱の中の観測者と、外の観測者が、両立しない事実を持つ」ことを実証するものだったと。
そして、その箱の壁を計算したのは、僕自身だったと。
事実は、複製の多いほうが勝つ。
彼女が生きていると証明しようとするたび、相手はまず「死んだ」という記録に触れる。
助けようとするほど、彼女は薄くなっていく。
国家の「事象整合室」は、少数派の証言を否定しない。
一字も曲げずに記録する。
ただ、その紙の前段には必ずこう書かれている——望月榛名、当時二十四歳、三年前の事故により死亡。
多数決に負けつづけた男が、最後にたどり着いた方法は、観測しないことだった。
量子力学の「ウィグナーの友人」を軸に据えた、現代SF。
全六十話・完結済み。物理の知識は一切要りません。
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
この作品はまだなろうファンDBに記録がありません。掲載から2日たつと、毎日0時ごろに記録を始めます。
順位を読み込んでいます…