ノンジャンル 短編

美しいメロディを創造する生命のない私

川神由信 2015/12/27 公開 2015/12/27 19:12 更新

あらすじ

私はiPS細胞を使って3次元構造を持つ人工臓器を培養系で作製することを専門とする分子生物学者で、この分野の権威である。脳は生命そのものであるという倫理的理由によって、人間の臓器では脳だけが作製を禁止されている。私は、思考や記憶を司っていることから脳が個人の人格そのものであることは認めるが、脳がすなわち生命とは考えておらず、脳死という概念には反対である。人の死は全臓器の機能停止と定義されるべきで、それに直結する心臓死を人の死とするのが正しいと信じている。培養脳の作製を自らの手で達成したい私は、倫理規定を破って一人で秘密裏に自分の白血球由来のiPS細胞から培養脳を作製することに挑戦し、程なくそれに成功した。培養脳は私の遺伝子を持ちかつ私の人格そのものを司る臓器だが、生命ではなく、経験もないので、私はこれを「白紙の生命のない私」と名付けた。私は昔、コンピューターによる作曲を試みたがうまくいかず放棄したことがあるが、今度はこの培養脳とコンピューターを接続させて美しいメロディを作るシステムの構築を試みた。まず、100個の培養脳に音楽を聞かせ、脳から分泌されるエンドルフィンを測ることにより、メロディを楽しむ能力のある培養脳を選抜した。私はそれを「メロディを楽しむ生命のない私」と呼んだ。この脳にメロディを自動作成するコンピューターを接続し、分泌されるエンドルフィンの量をフィード・バックさせて、コンピューターが脳の好むメロディの傾向を自動的に分析してより良いメロディを自己修正しながら作製していくシステムを完成させた。そのシステムで1000の新しい美しいメロディを創造することに成功した。私はこの培養脳を「美しいメロディを創造する生命のない私」と命名した。この成果を一流の科学雑誌に発表したいと私は望んだが、倫理的問題を理由に掲載を拒否された。しかし、同時に自分の勤める研究所の所長を介して、システムの破棄はせず、詳細なデーターを公表するように懇願された。私は、論文掲載が断わられるのであればシステムと資料は破棄しようと考え、実行に移そうとした。しかし、何者かの手により、・・・。

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評価ポイント 9+0(7日間)
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日別の値

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11/06 1 ±0 9 ±0
11/05 1 ±0 9 ±0
11/04 1 ±0 9 ±0
11/03 1 ±0 9 ±0
11/02 1 ±0 9 ±0
11/01 1 ±0 9 ±0
10/31 1 ±0 9 ±0

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