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八咫烏葵 2026/11/03 公開 2026/11/03 12:11 更新
十八で六十すぎの伯爵に嫁がされ、婚礼の夜は天井の染みを数えていた。
夫と父を見送って公爵家を継いだヴィオレーヌは、それから四年、好きな男を、好きな夜に寝台へ呼んできた。もう二度と、誰かに選ばれたりしない。
まっすぐな「はい」しか言わない、二十四歳の近衛騎士。
伯爵夫人に囲われたまま、嘘ごと甘えてくる宮廷楽師。
愛ではなく「峠の三分の一」で求婚してくる、宰相の甥の外交官。
そこへ従兄の国王から手紙が届く。「春の舞踏会の夜までに、夫を一人選べ」
寝台の男は三人。けれど、本当に欲しいのは、四年間一度も笑いかけてこない、頬に刀傷のある厩番だった。
「あんたの四番目にはならない」
夜明けの裏庭で抜かれた剣。乗りこんでくる伯爵夫人。わざと醜聞を王宮に広める男。
千本の蝋燭が灯る大広間で、女公爵が国王の前で告げた名前は――。
※約1万字の読み切り短編です。性的な場面は暗示のみ(R15)。最後は四人の男が同じ朝食の卓に並びます。
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