異世界恋愛 短編

「真ん中のお前は最後でいい」と父が言うので、嫁ぎ先は犬を見て自分で決めました

みれいぬ 2026/11/03 公開 2026/11/03 12:06 更新

あらすじ

「アデラインは跡取りだから先、ペネロピは末っ子だから先。真ん中のお前は最後でいい」アシュビー伯爵家の次女メイベルは二十一歳。姉の婚礼の支度も、妹の社交界デビューの支度も、家の帳簿も、父の手紙の返事も引き受けて、自分のことはいつも最後に回されてきた。そのうえ父は言う。姉に婿を出してくださるダンビー子爵家が、跡取りの嫁は「お前でいい」と仰っている。決めるのは、姉の婚礼が済んでからだ。

会ったこともない人の家へ、姉のついでに嫁がされるのを待っているつもりはない。亡き祖母は言っていた。嫁ぎ先を決めるときは、その家の犬を見なさい。犬は、人目のないところで扱われたとおりの顔をしているから。

だからメイベルは、決められる前に、嫁ぎ先の下見に出かけることにした。子爵家の厩につながれた猟犬と、先日の園遊会で水をあげた、侯爵家の大きな犬に会いに。侯爵家から届いたお礼の手紙を、父は妹宛てだと思い込んでいる。父が妹を連れて侯爵家を訪ねる、その日の午後より先に。

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