ローファンタジー 完結・全30話

クビになった四十九歳の管制官、深夜の「帰り道案内」配信を始める ~迷宮で遭難したら、まず遭難を宣言してください。あなたは今夜、私の第一便です~

ramune 2026/08/09 公開 2026/09/07 08:30 更新

あらすじ

十二年前、地方空港の滑走路の下に迷宮が現れた。

計器を狂わせる〈圏乱〉で空は閉じ、空港は廃港。管制塔に残って十二年、跡地の空を捌いてきた塔野徹(四十九歳)も、業務の自動化とともに職を失う。

二十四年、無事故。その経歴は、職業安定所の窓口で「何にお使いになれますか?」と首を傾げられた。

眠れない元夜勤の体で始めたのは、深夜配信「帰り道案内」。終電を逃した酔客を、声だけで家まで送る小さな番組である。同接十六人。

ある梅雨の晩、コメント欄に一行が流れる。

「琴浜の第八環からです。冗談抜きで、はぐれました。電池が三割です」

迷宮の通信は、深夜だけ〈夜窓〉が開く。ただし通るのはネットのデータだけ。緊急通報は繋がらず、会社の夜間窓口は録音案内、救助は朝まで来ない。

報せることはできるのに、応える声が、どこにもいない時間だった。

「まず、遭難を宣言してください。……はい。あなたは今夜、私の第一便です」

地図は知らない。だが、迷った人間を家に帰す手順なら、二十四年ぶん知っている。

現在地の固定。視認の復唱。電池と水の残量管理。手書きの短冊。そして出口の灯を確認したら、こう言うのだ――「第一便、着陸です」。

深夜にしか開かない生命線に、夜勤明けの看護師が、始発待ちのタクシー運転手が、古参の探索者が集まりはじめる。

無資格の誘導だと会社は警告し、有料の先導屋は「山は声じゃ守れん」と凄む。それでも今夜も、窓は開く。

管制圏を失った男が、地の底に新しい管制圏を作るまでの物語。

ポイント

総合ポイント 180
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 13474.4% ブクマ×2 4625.6%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

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8.93
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ブクマと評価ポイントの推移

10/25〜10/31(7日間)
ブクマ 23+2(7日間)
24 22 20 10/25 10/28 10/31
評価ポイント 134+10(7日間)
135 130 125 10/25 10/28 10/31

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
10/31 23 ±0 134 ±0
10/30 23 ±0 134 ±0
10/29 23 ±0 134 ±0
10/28 23 ±0 134 ±0
10/27 23 ±0 134 ±0
10/26 23 +2 134 +10
10/25 21 ±0 124 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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