現実世界恋愛 短編

「迷惑だったら捨ててください」と書いた恋文を破った日から九年。高嶺の花だった同級生は、駅裏の喫茶店で珈琲を淹れていた

八咫烏葵 2026/11/03 公開 2026/11/03 11:25 更新

あらすじ

高校三年の文化祭。図書委員の沖津航平は、学年一の美少女・水野葵に宛てた恋文を、渡す直前に破って逃げた。
九年後の五月、雨宿りに飛びこんだ駅裏の喫茶店『アンバー』のカウンターにいたのは、髪を短くし、手に火傷のあとをつくった葵だった。東京で倒れて帰ってきたという噂の彼女に、航平は同情ではなく、ほっとした自分を隠して通いはじめる。
ある閉店後、葵は古いドロップの缶から一枚の紙片を取り出す。破れた便箋に残っていたのは、「水野さんへ」と「迷惑だっ」の五文字。九年間、彼女はそれを「迷惑だと書かれた」と思いこんでいた――。
おたがいに怖がって逃げていた二人の、雨の夜の答え合わせ。社会人の再会両片思い、約七千字の読み切り短編です。

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