ヒューマンドラマ 短編

私の婚約披露パーティーで、婚約者は親友と誓いを交わした。

熾星 2026/10/16 公開 2026/10/16 16:00 更新

あらすじ

 婚約披露パーティーで、私の婚約者は親友の手を取って会場の中央に立っていた。

 司会者に促され、二人はこの日のために用意されていたメッセージを読み上げた。水原莉央が着ていた白いドレスは、衣装合わせのときに私がいちばん気に入っていたものだった。

 その隣には、柏木遼平。

 私は少し離れた場所で、控えめなシルクのワンピースを着て立っていた。

 事情を知らないゲストの中には、私を受付を手伝っている友人だと思った人までいた。

 本来なら、遼平の隣にいるはずだったのは私だ。

 高校時代から付き合って、八年。

 いつか結婚しようと何度も話してきた相手が、別の女性の手を取っている。

 途中で遼平がステージを下りてきた。

「莉央の新作、ちょうど婚約とか結婚式の場面を書いてるんだって。実際の空気を知りたいらしいから、今日くらい付き合ってやってよ」

 私の顔を見て、声を少し落とす。

「本番の結婚式で隣にいるのは真帆なんだから」

 八年間、何度も見てきた顔なのに。

 目の前にいる人が、ずいぶん遠く見えた。

 前に式場のブライダルフェアへ行ったときも、莉央は「小説のために模擬挙式を体験したい」と言った。

 ウェディングドレスを着て、バージンロードを歩いてみたい、と。

 遼平は笑って付き合った。

 そして今日は、婚約披露パーティーの空気を知りたいと言われ、また隣に立っている。

 私と遼平の八年間は、少しずつ莉央の「実体験」に変わっていた。

 ステージの上で、司会者が微笑む。

「それでは、お二人で記念ボードにサインをお願いします」

 莉央が遼平を見る。

 二人は笑いながらペンを取った。

 会場に拍手が広がる。

 私は握りしめていた手をほどいた。

 もう、この人と先の人生を歩くつもりはなかった。

ポイント

総合ポイント 1,610
日間ポイント 0
日間ランクイン 5
最高順位 147
評価ポイント 1,54896.1% ブクマ×2 623.9%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

ブクマ
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7.94
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ブクマと評価ポイントの推移

10/26〜11/01(7日間)
ブクマ 31+2(7日間)
32 30 28 10/26 10/29 11/01
評価ポイント 1,548+92(7日間)
1,550 1,525 1,500 10/26 10/29 11/01

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/01 31 ±0 1,548 ±0
10/31 31 ±0 1,548 +10
10/30 31 +1 1,538 ±0
10/29 30 ±0 1,538 +22
10/28 30 ±0 1,516 +4
10/27 30 +1 1,512 +20
10/26 29 ±0 1,492 +36

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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