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竹之内ひよこ 2018/08/07 公開 2018/08/23 22:59 更新
西暦2160年。
この国では、特化型教育と呼ばれる新しい教育プログラムが推進され、 主流となっていた。
特化型教育とは、遺伝子情報から個人の適性と得意領域を明確にし、 その得意領域を特化して高めていく教育方法である。
時の政府は、特化型教育を受ける為に 小学校入学と同時に得意領域を調査する為のDNA検査を行うことを義務付けた。
まさに適材適所。 人口減少に伴う労働力の不足などを補うための、 効率的な教育方法は、子供の将来に対する不安を軽減させるだけではなく、 その子供の個性の確立と活用に大きく貢献を果たした。
――一方で、特性を重視した教育は【ロスト】と呼ばれる存在を生み出してしまった。
ロストとは、特化型教育を受ける為に必要な得意領域を持たない人間のことである。
特化して磨いていくべき分野がない。将来が不明瞭で不安定な存在。
彼らは、得意領域を持つ者たちを補佐する立場として存在を許され、 下級職に就くことを強いられた。 また、得意領域を持つ者の中には、更にランクを持つものがいる。
より専門的な分野の領域に特化した者たちには、「ランク」が与えられ、 その中でも「ランクS」は政府によって丁重に保護、管理された。 「ランクS」を持つ者は、その特権として、成人を迎えると共に 【ロスト】を自らのリザーブとして所有することができる。
彼らにとって【ロスト】とは、いざというときに自らの身代わりとして消費できる存在。
平等であるはずの命には、しかしながら優劣が存在していた。
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