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老杜 2026/09/11 公開 2026/10/30 20:00 更新
昭和五年、一九三〇年。
満洲事変まで、あと一年。
そして、その先には、軍部の暴走、相次ぐ暗殺、日中戦争、太平洋戦争へと続く歴史が待っている。
そんな時代の戦艦「長門」に、二〇二六年から一人の海上自衛官が迷い込んだ。
海野弦一郎。海上自衛隊の少佐。
彼は知っている。この国がどこへ向かうのか。誰が命を落とし、どの選択が取り返しのつかない悲劇につながるのかを。
だが、彼が望むのは、未来の兵器で日本を勝たせることではない。
高橋是清、永田鉄山、そして歴史に名を残すことさえなかった人々。本来なら失われるはずだった命を、一人でも多く救うこと。
そのために弦一郎が向き合うのは、敵国の軍隊だけではない。軍の思惑、政治の駆け引き、財政の現実、国家と国家の利害、そして簡単には変わらない人間の心だった。
歴史を知っているからといって、歴史を思いどおりに変えられるわけではない。それでも彼は、出会った人々とともに、破滅へ向かう時代の流れに抗おうとする。
戦争に勝つためではなく、戦争を起こさせないために。
これは、未来を知る一人の海自少佐が、昭和の日本で「死ぬはずだった人々」を救おうとする、もう一つの歴史の物語。
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