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早野 茂 2026/06/01 公開 2026/06/07 17:30 更新
パブリッシャーの最精鋭エージェント、織部悟。
彼は感情を不要なバグとして排除し、与えられた仕様書通りに任務を遂行するだけの存在だった。
闇の金融組織クロノスの情報経路を探るため、織部は一軒の古びた骨董品店へ潜入する。そこで彼が見つけたのは、違法取引の記録ではなく、三十年間一日も欠かさず書き続けられた古い手帳だった。
そこに記されていたのは、見知らぬ「あの子」の安否を案じる言葉。
だが記録を読み解くうち、織部は気づいてしまう。
その「あの子」とは、自分自身だった。
父はなぜ自分を手放したのか。
なぜ骨董商の老人は、三十年もの間、彼を見守り続けたのか。
そして、巨大なシステムが個人の命を「許容コスト」として切り捨てる時、織部は何を選ぶのか。
これは、感情を削除して生きてきた男が、削除できない一万日分の祈りを受け取り、自分自身の原則で世界を校正し始める物語。
※この作品はカクヨムにも投稿しています。
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