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ばななさらだ 2026/04/11 公開 2026/04/25 09:57 更新
すべての自由が、管理されている世界がある。
雨を降らせるにも、風を吹かせるにも、中央統制塔が定める「大いなる規約(プロトコル)」への申請が必要な管理都市アルカ。人々は生まれながらに役割と規約を刻まれ、そこからはみ出した者は「欠陥品(デフレクター)」として最下層へと弾き飛ばされる。
笑い声さえも、「有害なノイズ」として処理される世界だ。
幼馴染のリアナが連れ去られた日、最下層のゴミ捨て場に生きる少年カイは、脳内の演算回路を静かに回転させながら決意した。
――こんなクソみたいな計算式、俺が全部書き換えてやる。
管理者権限を持たないカイに武器はない。あるのは、規約の記述に必ず存在する「解釈の余地」と「論理の隙間」を見つけ出す、歪んだ天才だけだ。
彼が集めたのは、システムから「ゴミ」と定義された欠陥品たちだった。
逃げることを禁じられた不退転の巨漢・ボルグ。
死の淵でしか力を発揮できない元騎士・セリア。
情報が暴力となって脳を焼く天才ハッカー・ディノ。
二百年以上、誰も来ない記録庫で待ち続けた旧型AI・ノア。
そして、正義を信じすぎた審問官・イリス。
「呪い」を「武器」に変換する、前代未聞のハック。
欠陥を逆手に取り、完璧な管理者の盲点を突く、冷徹な知略。
だが塔を登るうちにカイは気づく。自分が「駒」と呼んでいた彼らは、数式では定義できない何かを、確かに持っていると。
「感情は計算を乱すバグだ」と切り捨てていた少年が、一歩ずつ、人間になっていく。
これは、世界の理不尽をハックする物語であり——
欠陥だらけの人間たちが、最強の「バグ」となる物語。
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