パニック 完結・全66話

アフター・ワクチン ――君打ちたもうことなかれ――

星香典 2021/12/25 公開 2022/03/06 15:57 更新

あらすじ

 2021年ワクチン接種が始まる。2022年ワクチン接種法が制定され、年二回の接種が義務化される。しかし、超過死亡が著しく増加し、ワクチン接種の副反応と認定される。2026年に接種は停止される。すでに地球の人口は約七十一億人に減少していた。

 ワクチン接種者の死亡日時が正確に予想できる検査が確立し、接種者は五年から十年のうちに死亡が確定する。約七十億の人間が2041年までに亡くなる。

 2031年十月一日、達也は十年前、2021年にコロナで死んだ弟=裕二の墓参りを済ます。その日は、妻の理恵が死ぬ日でもあった。理恵の入院する病院で、五年ぶりに高校時代からの友人、海津と会う。海津は脳機能学者だったが、ワクチン虚偽接種により逮捕、強制接種の前日にワクチン接種法が改正されたので、数少ない未接種の一人だった。妻の死を見届けた後、達也は服毒自殺を試みる。

 自殺したはずの達也は、弟の命日である2021年に目を覚ます。しかも、死んだはずの弟の体に時を遡って乗り移っていた。弟はコロナによって死んだのではなく、ワクチン接種により死んだことを知る。裕二の体に入った達也は、ワクチン接種を回避して生き延びる。

 十年前に戻った達也は、まず、過去の自分と妻にワクチン接種を思いとどまらせようとする。過去の自分は、弟がコロナで死亡したこともあり、渋谷の特設会場で理恵と供に接種してしまっていた。だが、裕二の体でこの時代の理恵に会うと、実は理恵はワクチン接種をためらっていた。そんな彼女に自分がワクチン接種の圧力をかけていたことを知り、愕然とする。

 弟の体の達也は、この時代の自分の結婚式に出席すべく、式場へ向かう。しかし、交差点を渡っているときに、無理に右折してきたトラックに轢かれて死んでしまう。死んだ達也が目を覚ましたのは、2031年だった。だが、過去へ行って裕二になっていた記憶は失われている。今の達也は、時間軸Bの達也だった。しかし、行き交う記憶は時間軸Bの達也の記憶に干渉して、しばし達也はデジャブに陥る。また、裕二がコロナで死ななかったことのより、ワクチン接種のタイミングがずれ、達也と理恵の余命が時間軸Aとはことなり……。

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10/28 11 ±0 26 ±0
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