ハイファンタジー 短編

「辺境の村は囮だ。捨てろ」と王に言われた村長、ブチ切れて魔王軍の進路上で村を独立させました――三日目の朝、三万の魔王軍が素通りした

ramune 2026/09/03 公開 2026/09/03 08:35 更新

あらすじ

「辺境の村は囮だ。捨てろ。王都の守りが先だ」

魔王軍が国境を越え、王都まで十日。王の使者は村の守備兵三十を引き上げ、村長ハインツ、四十五歳にそう告げた。村人は残せ。魔王軍が村を焼く三日が、王都の備えになる、と。

ハインツは二十年、国境の関所で判を押してきた男である。百年前に人と魔が結んだ〈境の掟〉を、一字残らず覚えている。魔族は、魔王の名で宣戦布告した国の土しか踏まない。そして掟は、旗と境と掟と、それを守る者を持つものを、国と呼ぶ。

「承知しました。では、この村は本日より独立します」

娘が羊の旗を描き、村人三百が畑の周りに石を並べ、門の板に掟を一条だけ書いた。一、この村の者は、この村を捨てない。

三日目の朝。三万の軍勢が、石の線の手前で止まった。魔王軍の先鋒を率いる魔将は掟を諳んじる堅物で、二十年前、この村長に判が一つ足りないと半日待たされた男だった。旗、境、掟、守る者。魔将は四つを順に検め、告げた。

「掟により、魔王軍はこの国の土を踏まぬ。……通れん」

魔王軍は石の外を歩いて王都へ向かい、十日後、焼かれた隣村の者の列が村の門まで続いた。列の後ろから、王の使者が二度目に来る。今度は、王の御座所をこの村へ移す、と。

「入国審査を始めます。王都の方は、列の最後尾へ」

囮に捨てられた村が、大陸の地図に国として載るまでの、十三日の話。

ポイント

総合ポイント 92
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 8693.5% ブクマ×2 66.5%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

ブクマ
3
感想
1
レビュー
0
評価者数
11
平均評価
7.82
週間読者
0

ブクマと評価ポイントの推移

10/28〜11/03(7日間)
ブクマ 3+0(7日間)
4 3 2 10/28 10/31 11/03
評価ポイント 86+0(7日間)
87 86 85 10/28 10/31 11/03

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/03 3 ±0 86 ±0
11/02 3 ±0 86 ±0
11/01 3 ±0 86 ±0
10/31 3 ±0 86 ±0
10/30 3 ±0 86 ±0
10/29 3 ±0 86 ±0
10/28 3 ±0 86 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

順位を読み込んでいます…