純文学 短編

婚約破棄の条件は、王子殿下が決めたことです

ふたーなる 2026/11/03 公開 2026/11/03 00:45 更新

あらすじ

「お前との婚約を破棄する!」

王太子エドガルドから、夜会の場で一方的に婚約破棄を告げられた侯爵令嬢クラリッサ。

理由は、王太子が愛する子爵令嬢への嫌がらせだった。

しかし、クラリッサは泣きも怒りもしなかった。

「承知いたしました。それでは、婚約破棄に伴う手続きを確認させていただきます」

彼女が取り出したのは、王家と侯爵家の間で交わされた婚約契約書。

そこには、王太子の意思による婚約解消の場合、王家が婚約に伴う費用を返還するという条項が記されていた。

しかも、その契約書にはエドガルド自身の署名がある。

「婚約破棄の条件は、殿下が決められたことではございません。王家と侯爵家が、あらかじめ取り決めたものです」

翌日、王宮に届いた請求書。

その金額は、王太子個人の資産を大きく上回っていた。

慌てて撤回を申し出るエドガルドだったが、クラリッサの答えは変わらない。

「私は、殿下との婚約を終えました」

自分の都合で婚約を破棄し、今さら復縁を望む王太子。

だが、クラリッサはもう彼の隣に立つつもりなどなかった。

これは、身勝手な王太子に契約の重さを思い知らせ、婚約破棄によって自由を手に入れた令嬢の物語。

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