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ふたーなる 2026/11/03 公開 2026/11/03 00:36 更新
「エルネスタ・ローデン! お前との婚約を破棄する!」
王太子ヴィルヘルムは、夜会の大広間で侯爵令嬢エルネスタに婚約破棄を宣言した。
隣には、彼が愛する伯爵令嬢リリアーヌ。エルネスタを悪役に仕立て上げ、彼女を捨てることで、ヴィルヘルムは新たな人生を始めるつもりだった。
ところが、エルネスタの反応は予想外だった。
「承知いたしました。では、婚約破棄に伴う損害賠償についてご説明いたします」
彼女が取り出したのは、分厚い書類の束。
婚約にかかった費用、侯爵家の損失、王家の信用失墜――。一方的な婚約破棄には、相応の責任が伴うのだという。
「殿下が婚約破棄を望まれるのであれば、わたくしは喜んで応じます。ただし、責任はお取りくださいませ」
泣いて縋るどころか、淡々と手続きを進めるエルネスタ。
そして、彼女が去った後、ヴィルヘルムはようやく気づく。
自分の個人資産では賠償金を支払えないこと。
父である国王も助けてくれないこと。
そして、愛するリリアーヌも王太子妃になることを望んでいないこと。
「エルネスタ! 婚約破棄を撤回する!」
しかし、返ってきたのは一通の手紙。
『受取拒否』
自分から婚約者を捨てた王太子が、今度は彼女に捨てられる番だった。
これは、婚約破棄をきっかけに自由を手に入れた令嬢と、自分の言動の責任を取らされることになった王太子の、痛快な婚約破棄物語。
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