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しまむら じょう 2026/05/06 公開 2026/05/06 19:35 更新
猫のサリーとミックは、ある日、猟師に追われた母グマの最後の言葉を聞く。「逃げて……生きて……」。その声に導かれるように、子グマとともに地面の穴へ吸い込まれ、再び「もしもの世界」へと迷い込んだ。
たどり着いたのは、茶色く枯れ果てた森。そこに住む老いた樹霊・よれよれさんは、与えすぎたがゆえに全てを失い、数百年、兄のもくもくさんと根を断ち切ったまま孤独に生きていた。
名前も持たない子グマ、傷ついた樹霊、見えない境界線……。サリーとミックはなかまたちとともに、命と命を繋ぎ直す旅に挑む。
子グマに与えられた名は「エン(円)」。自分で大きな円を描けるほど元気に育ってほしい、という願いを込めて。そして仲間たちは気づく。エンの「がい」は害獣の害じゃない。碍子のように、命と命を繋ぐ「碍」なのだと。
旅の果てに、とうちゃんは600年の孤独の中で待ち続けた自分の「影」と向き合い、静かに語りかける。「ごめん。長い間さみしかったよね。さあ……僕の愛おしい影よ。僕の中に戻っておいで」と。
逃げることは、負けじゃない。生き残ることが、何より大切なのだから。
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