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間咲正樹 2024/07/26 公開 2024/07/26 21:01 更新
「でね、昨日観た『馬シャーク』っていう映画が、超傑作だったの! だって上半身が鮫で、下半身が馬の化け物なんだよ!? そんなの最強に決まってるじゃん!」
「何だその小2男子が考えたみたいな設定は」
とある放課後。
俺は今日も幼馴染の乃愛(のあ)と二人で、家路を歩いていた。
乃愛はB級映画が大好きで、自分が観た映画をこうやってよく俺に話してくる。
その様がまるで気ままに甘えてくる猫のようで、何とも微笑ましい。
「絶対面白いからさ、今度岳(がく)も一緒に観ようよ!」
「ああ、いいよ。――ところで乃愛、今週の土曜日は、お前の誕生日だよな?」
「――!」
俺は心の中だけで一つ深呼吸してから、切り出した。
「あ、ああ~、そういえばそうだっけ? アハハ、すっかり忘れてたな」
乃愛はポニーテールの髪をプラプラと揺らしながら、頭を掻く。
まったく、こいつは。
――まあいい。
「――乃愛、お前に大事な話があるんだ」
「……!」
俺は真剣な顔で、乃愛に向き合う。
――俺は子どもの頃からずっと、乃愛のことが好きだった。
しかしなかなか勇気が持てず、告白できないままこの歳まで来てしまった。
――だが、今年の乃愛の16歳の誕生日だけは、どうしても彼氏としてお祝いしたい!
そのためには、今この時、告白するしかない――!
さあ、今こそ一生分の勇気を振り絞る時だ、俺ッ!
「――乃愛、実は俺は、前からお前のことが――」
「ちょっ!? ストップ!!」
「……え?」
の、乃愛?
「あっ、そういえば私、用事あるんだった! 悪いけど先帰るね! またね、岳!」
「えっ!? お、おい、乃愛!?」
乃愛は目にも止まらぬ速さで、ピューッと走り去ってしまったのであった。
……えぇ。
※カクヨムにも転載してます。
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