ヒューマンドラマ 短編

釣り仲間が「踊れる人魚を釣った」と自慢してきた。写真を見たら、まさかの俺の妻だった

熾星 2026/09/12 公開 2026/09/12 16:00 更新

あらすじ

既婚者ばかりの釣り仲間数人と居酒屋に集まった夜、話題はいつものように釣果の自慢になった。

 森田は前日に釣り上げた八十センチを超えるコイの写真を、もう何度もグループLINEに載せていた。一方、黒田敦也はここ最近ずっとボウズ続きだった。格好の標的を見つけた連中が、代わる代わる黒田をからかっていた。

 ビールを三杯ほど空け、顔を赤くした黒田は、とうとうグラスをテーブルに置いた。

「魚は相変わらず釣れないけどさ、女なら最近一人釣ったぞ。ホテルまで来るようなやつ」

 一瞬だけ個室が静まり、その直後、笑い声が弾けた。

 森田は腹を抱え、膝からスマートフォンを落としてもすぐには拾わなかった。

「今日の酒、そんな強くないだろ。三杯で何言い出してんだよ」

 別の男も笑いながら黒田の肩を叩いた。

「ボウズ続きで、とうとう魚じゃなくて女を釣った夢まで見るようになったか?」

 黒田の顔から笑いが消えた。

「うるせえな。写真あるから見ろよ」

 スマートフォンを取り出し、勢いよく写真フォルダを開く。

「嘘かどうか、自分で確かめろ」

 さっきまで笑っていた連中が次々に身を乗り出した。

 森田も落としたスマートフォンを拾うのを忘れたまま、黒田の画面を覗き込んでいた。

「おい……マジかよ」

「黒田、お前これどこで知り合ったんだ?」

 俺は家にいる妻を思い出し、そちらを見ないようにしていた。

 隣に座っていた高木浩介が俺の首に腕を回した。

「航平も見ろよ。黒田、今回は吹いてるだけじゃなさそうだぞ」

「俺はいいって」

「いいから一回見ろよ」

 肩を引かれ、光る画面が視界に入った。

 次の瞬間、グラスに添えていた指が止まった。

 写真の女は、身体にフィットしたヨガウェア姿でカメラに向かって笑っていた。薄く加工された画面の中でも、左の眉尻には細い三日月形の傷痕が残っていた。

 毎日見てきた傷だった。

 写っていたのは、俺の妻――相沢静香だった。

ポイント

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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/27〜11/02(7日間)
ブクマ 4+0(7日間)
5 4 3 10/27 10/30 11/02
評価ポイント 132+10(7日間)
130 125 10/27 10/30 11/02

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/02 4 ±0 132 ±0
11/01 4 ±0 132 ±0
10/31 4 ±0 132 ±0
10/30 4 ±0 132 ±0
10/29 4 ±0 132 +10
10/28 4 ±0 122 ±0
10/27 4 ±0 122 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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