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風間 秋 2020/11/01 公開 2021/10/23 00:04 更新
いつかの時代、どこかの場所。ラケルなる世界で幾度となく繰り返されてきた歴史。人が社会を文明を築き上げては、魔が興りそれらを駆逐する。永劫の停滞を約束された、虚ろな円環に囚われた世界。
再生と破壊の過渡期。静謐の時代に、アズルトは人造天使――来る崩壊の日、人類種の最先に立つ最終兵器――の出来損ないの試作品として生まれた。失敗作なりに主君に忠節を誓う彼だが、実は主君にも言えぬ大きな秘密を抱えていた。それは前世の記憶があること、そしてここが乙女ゲームの世界であるということだ。近い将来、王国は戦乱に巻き込まれる。悪訳令嬢の父である主君の領地にも戦火は及び、主君は歴史の表舞台から姿を消すことになるだろう。
などと深刻ぶって語ってみたが、アズルトは主君の生命を微塵も危ぶんではいない。そんなことよりも悩むべきは、主君の命で震源地となる騎士養成学校への入学が決まったことだろう。おまけにその内容は『騎士養成学校の秩序をぶち壊せ(意訳)』というもの。無自覚で歴史への介入を促してくる主君は流石と言う他ない。
かくて忠臣アズルトは原作の舞台へと足を踏み入れる。同じく転生者である少女たちが自らの望む結末を引き寄せようと画策する中、裏ボスの狐っ娘を共謀者に迎えたアズルトは、彼女らの疑惑の目を掻い潜り、時に迷子の吸血鬼を慰め、使命を果たすべくゲーム知識を駆使しシナリオを、ひいては世界を捻じ伏せる。
これはそんな、役を持たないアズルトが役割を演じつつ世界を攻略するカタストロフ招く系ファンタジー。
◆ステータスやスキル等のゲーム的な要素なし。
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