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aria 2026/04/02 公開 2026/05/08 17:11 更新
浅香燈真は、とにかく面倒事が嫌いだ。
目立たず、騒がず、壁のシミのように平穏無事な卒業を待つ。それが唯一の目標だった。
しかし、新学期初日。そのささやかな野望は、隣の席にやってきた「爆弾級」の美少女によって無残に打ち砕かれる。
都会の名門、私立鳳凰ヶ丘学園からやってきた転校生、箱入歌凛。
卵色の髪に空色の瞳、そして浮世離れした気品を纏う彼女は、全人類が驚愕するレベルの筋金入りの箱入り娘だった。
「始業式は自分の椅子を持っていく? ……浅香さん、これはなにかの訓練なのですか?」
「教科書の準備……? いえ、いつもは使用人が整えてくれていましたので……」
「これが『こうばい』のパン……。温かいなんて、まるで魔法のようです!」
椅子の運び方を知らず、教科書の準備すらアウトソーシング。
パックのレモンティーに目を輝かせ、コンビニでの「お釣り」に首を傾げる。
面倒事はごめんだ。平穏を返してくれ。
そう願いつつも、捨てられた仔犬のような瞳で見つめられると、つい「今日だけだぞ」と手を貸してしまう。
これは、平穏を愛する少年にとっての「絶望の始まり」であり、世間知らずなお嬢様にとっては「世界が輝き出す物語」。
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