異世界恋愛 完結・全63話

夫が十年間「出張」と言い張った先に、もうひとつの家庭がありました

秋月 もみじ 2026/02/28 公開 2026/03/29 12:05 更新

あらすじ

月の半分が空席の執務机を、十年間おかしいと思わなかった。

夫は王都出張だと言った。
辺境の領地経営は妻の仕事だと、誰も疑わなかった。
堤防を直し、帳簿をつけ、領民に慕われ、子供を育てた。
それが当たり前の日常だった。

ある日、王都で見つけたのは夫の別邸。
庭には見知らぬ女性と、夫によく似た子供がいた。
その女性の指には、五年前に夫が無くしたと言った指輪が光っていた。

三秒だけ目を閉じた。
目を開けた時、もう泣く気はなかった。

帰路の馬車の中で、侍女にひとつだけ告げた。
帰ったら引き継ぎ資料を作る、と。

三ヶ月かけて仕上げた資料は三百二十四頁。
十年分の仕事を紙に落とし込んで、全部返した。
一つ残らず。

領地を去る日、手元に残ったのは帳簿の写しと、隣国の技師から届いた五年分の書簡だけだった。

あの技師は、一度も余計なことを言わなかった。
約束の時間に遅れたこともなかった。
ただ書簡の末尾にだけ、不器用な一文を添えていた。

夫のいない領地で何が起きるのか。
帳簿に残された数字は何を語るのか。
五年間黙っていた技師は、なぜ黙っていたのか。

返したものの重さを、あの人はまだ知らない。

ポイント

総合ポイント 38,970
日間ポイント 6
日間ランクイン 29
最高順位 1
評価ポイント 30,59078.5% ブクマ×2 8,38021.5%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

ブクマ
4,190
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平均評価
8.73
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ブクマと評価ポイントの推移

10/30〜11/05(7日間)
ブクマ 4,190+3(7日間)
4,192 4,190 4,188 10/30 11/02 11/05
評価ポイント 30,590+8(7日間)
30,590 30,580 10/30 11/02 11/05

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/05 4,190 -1 30,590 +4
11/04 4,191 +1 30,586 ±0
11/03 4,190 -1 30,586 +2
11/02 4,191 ±0 30,584 +10
11/01 4,191 +3 30,574 +2
10/31 4,188 -1 30,572 -10
10/30 4,189 +2 30,582 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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