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天野雫 2025/04/24 公開 2025/04/24 18:44 更新
【あなたは声にに恋できますか?】ギャンブル依存と原因不明の痛みに蝕まれながら、孤独と空虚のなかを彷徨う男。大腿骨頭壊死症と診断され、心も体も壊れかけたある日、ふとした電話で彼の人生は静かに動き出す──。
電話の向こうにいたのは、サポートセンターの女性。「もしもし」という一言が、なぜか胸の奥に響いた。ただの声なのに、なぜか惹かれて離れられない。彼女の名前も顔も知らない。ただ“声”だけを頼りに、彼の心は次第にその音色を追い求めていく。
霊能者の除霊を受けたことで、彼の内面には「直感」という新たな感覚が芽生え始める。「北へ行け」という不思議な啓示に従い、彼は動き出す。目指すは、被災地・九州。そこに何があるのかはわからない。ただ、自分の内なる声が、彼を突き動かす。
災害地の風景は、彼の心の荒廃と奇妙に重なる。誰のためでもなく、ただ「導かれたから」そこにいる。旅の果てにたどり着いた博多駅の構内。なぜか手を合わせたくなり、祈る。まるで「ありがとう」と伝えるように。
その帰り道、偶然乗り合わせた高速バスの中で、彼は再びあの“声”に出会う。少女が口にした「もしもし」の響きは、あの日、電話越しに恋をした声とまったく同じだった。現実か幻想かも曖昧なまま、彼は静かに涙を流す。
パチンコ依存、病との闘い、霊的体験、そして「声」に導かれた旅。その全てが、彼にとって必要な浄化であり、魂の回復だったのかもしれない。顔の見えない“誰か”への想いが、人生を再生させる力になる──これは、実話をもとにした奇跡と再生の物語。
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