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戌主 2026/02/03 公開 2026/02/13 10:18 更新
平安中期、武蔵の国。
在地領主・日祭家の嫡男、日祭時義は、若くして当主となり、薬の知識をもって民を病と飢えから救う慈悲深き君主であった。彼の傍らには、代々日祭家に仕える立河家の令嬢・千日がいる。臆病ながらも心優しく、強い忠誠を胸に秘めた少女は、護衛であり、そして時義の許嫁だった。
二人はささやかな幸福を手にするが、疱瘡という死病がその日常を引き裂く。
千日が病に倒れ、命の灯が消えかけたとき、時義は禁じられた人を不死にする仙薬「常盤の薬」を完成させ、彼女に与える。
千日は奇跡的に回復する。
しかし、時義は薬を飲ませた直後、「また明日」という言葉を残し、忽然と姿を消した。
なぜ彼は去ったのか。
彼は本当に生きているのか。
答えを知らぬまま、不老の身となった千日は、主であり最愛の夫を探すため、平安の世を旅立つ。
こうして、千年の時を越え、歴史の動乱とともに続く、不滅の少女の旅が始まる。
これは、「生き続けること」を選ばされた者が、
ただ一人を想い続ける、常盤の愛の物語である。
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