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ぱすた屋さん 2026/01/25 公開 2026/03/06 09:00 更新
「……お父さん、もう限界かも」
私立聖エルモ機装高等学院。
人々の憧れである『機装(ギア)』操縦士を養成するその学び舎で、九条結衣はどん底にいた。
最新AIがサポートする数億円の高級機が飛び交う中、彼女の愛機は型落ちの貸出機『アリエス』。
脳波同期率は絶望の0%。ランキングは全校300人中、290位。
「貧乏人は大人しくスクラップでも拾ってな」と笑われる日々。
そんな彼女を救ったのは、毎日往復3時間の満員電車に揺られる、どこにでもいる40歳のシステムエンジニア——「パパ」だった。
「結衣、諦めるのはまだ早い。今、最適化パッチを送った。あとはマニュアル通りに叩け」
娘の絶体絶命のピンチに、父は仕事用の携帯端末一つで介入する。
電波の不安定な地下鉄から、昼休みのデスクから、あるいは上司に怒鳴られている会議室の隅から。
かつて伝説と呼ばれたエンジニアの指先が、物理限界を超えたロジックを機体に叩き込む。
機体モニタに表示される、緑色の文字列——『Dad is Online』。
それは、世界最強のバックアップが開始された合図。
「最新AI? 金に明かした高級機? ——甘いな。パパの書いたコードの方が、100倍速いぞ」
これは、満員電車のおじさんが個人端末一つで、愛する娘を世界の頂点まで押し上げる物語。
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