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他力本願寺 2026/07/31 公開 2026/08/06 22:20 更新
「あなたの死期は、三十日後です」
深夜、殺し屋の黒崎凛の前に現れたのは、死期を告げる死神・シオンだった。
願いを一つ叶える――そう告げる死神に、凛は規則の穴を突いて言い放つ。
「お前を、俺の手で殺す」
殺せない相手を願いにすれば、死期は永遠に保留される。完璧な延命策のはずだった。
だが、殺意を込めた刃は死神をすり抜け、世話を焼く手だけが触れられる。
血の匂いのする男の部屋で、感情を持たないはずの死神は、
味噌汁の味を覚え、赤い服を選び、帰りを待つようになる。
刃も、毒も、爆薬も効かない殺害チャレンジ。
繰り返すうちに、凛は気づく。自分はもう、殺すために一緒にいるのではないと。
やがて死神庁が動き出す。
人間に近づきすぎた死神には、記憶を消す「初期化」が待っていた――。
殺す理由が、離したくない理由に変わっていく。
逃げてきた男と、選ぶことを覚えた死神の、三十日。
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