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たっくん 2026/05/23 公開 2026/05/23 01:07 更新
王太子レオンハルトの婚約者として、十年間王妃教育を受けてきた公爵令嬢リディアナ。
彼の好みも、夜会の席次も、領地の問題も、王宮の人間関係も。
リディアナはすべてを覚え、整え、陰から王太子を支え続けてきた。
けれど春告げの夜会の日。
本来リディアナが座るはずだった席には、別の令嬢が座っていた。
そしてレオンハルトは、貴族たちの前で笑う。
「君の席はない」
婚約破棄を告げられ、立ち去ろうとしたリディアナ。
その時、王妃が静かに立ち上がり、自らの隣の席を空けた。
「リディアナ。あなたの席は、ここです」
それは、ただの椅子ではなかった。
十年の努力を知る者たちが、彼女を次期王妃にふさわしいと認めた証だった。
婚約者の座を失ったのは、リディアナではない。
彼女の価値を知らずに切り捨てた、王太子の方だった。
これは、居場所を奪われた令嬢が、誰かに選ばれるのではなく、最後に自分自身の席を選ぶ物語。
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