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雉白書屋 2023/12/18 公開 2023/12/18 11:00 更新
「あ、あなた……」
「……酒」
平太は家に帰って来るなりそう呟き、リビングのソファーに腰を下ろした。
妻が缶ビールとそれを注ぐグラスを慌ただしく用意するが手が震え、床に落とし割れた音に平太は片目を閉じる。
「グラスはいいから! 早く!」
舌打ち二回、ため息一つ。平太がリビングに入って来てから続いていたそのローテーションは喉に流し込んだビールによって、ようやく途絶えた。
大きく息を吐き、天井を見上げる平太。ふわんとアルコールの匂いが漂うも鼻の奥に染みついた血の匂いは消えない。
あるいはこの部屋の匂いか。平太は周囲を見渡し、鼻をひくつかせる。捉えたのは洗剤と安物の消臭剤の香り。そしてふと目についたテーブルの足の血痕。
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