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九葉(くずは) 2025/12/07 公開 2025/12/07 17:35 更新
「貴様の作る料理は、味のしない豚の餌だ!」
味覚音痴な婚約者・カイル王子にそう罵られ、婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢レティシア。
彼女は「神の舌」と前世の知識を持つ料理の天才だったが、濃い味付けと香辛料しか愛せない王子に愛想を尽かし、国を捨てる決意をする。
「あ、そうですか。じゃあ、本当の『美味しい』を知る人たちの所へ行きますね」
レティシアが向かったのは、極寒の北の大国・ヴァルハラ帝国。
そこで彼女が開いたのは、温かい湯気が立ち昇る小さな屋台『ひだまり亭』だった。
黄金色の出汁が香る「豚汁」、音まで美味しい「二度揚げ唐揚げ」、とろとろ卵の「親子丼」、そして鉄板で踊る「ソース焼きそば」――。
その暴力的なまでの飯テロの香りに釣られてやってきたのは、もふもふの姿に擬態した伝説の魔獣(フェンリル)と、"氷の皇太子"と恐れられるグレン殿下で……!?
「……美味い。君の料理を食べると、凍っていた心が溶かされるようだ」
冷徹だったはずの皇太子様は、レティシアの料理に胃袋を鷲掴みにされ、彼女を溺愛し始める。
一方、レティシアを追放した祖国では、彼女の実家が食材流通を止めたことで食料危機が発生。
激痩せした元婚約者は「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが――
「今さら何を仰るのですか? 私、こちらの常連様(皇太子)と忙しいので」
これは、捨てられた料理人が辺境で幸せな食卓を囲み、元婚約者が「本当の豚の餌(粗食)」で更生させられるまでの、美味しくてスカッとする逆転劇!
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