異世界恋愛 完結・全10話

追放令嬢の賄い飯が美味すぎて魔王陛下が厨房に住みつきました

渚月(なづき) 2026/03/19 公開 2026/03/19 12:03 更新

あらすじ

包丁を置いた。
五年間握り続けた、私の右手だけが覚えている重さ。

宮廷料理局の厨房を出るとき、振り返らなかった。
振り返れば、きっと足が止まる。

罪状は「王太子の食事に毒を盛った」。
身に覚えはない。
けれど、公爵令嬢の涙と、料理局長の証言と、王太子の沈黙が、私の言葉より重かった。

(……毒なんて、盛っていない。)

私が作ったのは、王太子が「生まれて初めて美味しい」と言ってくれた、あのスープだ。
あの日から、局長の目が変わったことを覚えている。

追放先は、国境の向こう。
人間の領域を越えた、魔族の土地。

荷物は着替えと、母の形見の包丁が一本。
それだけで充分だった。
料理人に必要なものは、腕と舌と、目の前の素材だけ。

国境の橋を渡り終えたとき、風の匂いが変わった。
火山灰と、夜の花と、見知らぬ香辛料の香り。

行く宛てはない。
けれど、腹は減る。
自分のためでもいい。何か作ろう。

道端で摘んだ薬草と、干し肉の端切れ。
小さな焚き火で、簡素なスープを煮た。

湯気が立ちのぼる。

それを——じっと見ている、赤い瞳があった。

ポイント

総合ポイント 512
日間ポイント 0
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評価ポイント 44286.3% ブクマ×2 7013.7%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/27〜11/02(7日間)
ブクマ 35-1(7日間)
37 36 35 34 10/27 10/30 11/02
評価ポイント 442+16(7日間)
440 435 10/27 10/30 11/02

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/02 35 ±0 442 ±0
11/01 35 ±0 442 ±0
10/31 35 ±0 442 ±0
10/30 35 -1 442 ±0
10/29 36 ±0 442 ±0
10/28 36 ±0 442 +6
10/27 36 ±0 436 +10

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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