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熊さん 2026/06/17 公開 2026/10/13 23:49 更新
関東は縄文の楽園だった。
荒ぶる利根川は大地を潤し、東京湾は今より深く入り込み、千葉は海に浮かぶ島のようだった。
魚と貝は豊かに湧き、森には木の実と獣が満ちていた。
丸木舟は早くから発達し、人々は川と海を行き交い、広い関東をひとつの世界として結んでいた。
その世界に、新たに住み始めた者たちがいた。
行田のケヤキの民。
彼らは移動する縄文の民であり、巫女の言葉を重んじ、関東の巫女たちを結ぶ“見えない道”を強めていった。
争いを避け、共に生きることを尊ぶ縄文の理。
関東は、巫女と民が織りなすひとつの大きな世界になっていった。
しかし南から、米と鉄を携えた弥生の勢力が迫る。
湿地に守られた関東にはすぐには入れないが、その影は少しずつ確実に広がっていく。
そのとき、北川辺の大巫女は気づいていた。
関東の未来が変わることを。
そして、行田のケヤキの民がその中心に立つことを。
やがて関東には、縄文の主が現れ、
近畿の勢力と結びつく“王権の核”が生まれようとしていた。
それはどのように生まれ、どこへ向かったのか。
そしてケヤキの民は、その時代のうねりの中で何を選び、何を守ったのか。
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