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しきもとえいき 2025/12/31 公開 2026/10/30 21:22 更新
名前をくれた少女を、私は守れなかった。
貴族の少女ヴェリットに、護衛兼侍女として仕える魔導機兵。
型式番号しか持たなかった機械は、「ルミナリス」という名を与えられた。
衣装を選び、勉強を手伝い、笑顔を記憶する。
命令に従っているだけのはずだった。その傍らにいることを、いつしか幸福と呼ぶようになっていた。
だが、停戦を祝う宴の裏で仕組まれた帝国の陰謀が、その日常を奪い去る。
守るための機能も、積み重ねた判断も、大切な少女を救えなかった。
残された記録は、惨劇の証拠。そして、失った日々が確かに存在した証でもあった。
事件の責任を問うため、ルミナリスは動き始める。
魔導兵器が神獣を討ち、神々と精霊の力が戦場を揺るがす大陸。
老エルフの剣士をはじめ、旅の中で出会う者たちにも、それぞれに守るものと、譲れない願いがあった。
出会いと別れを重ねるたび、機械の内に新たな感情が刻まれていく。
悲しみを知った。それでも、誰かを大切に思うことをやめられなかった。
私は守りたい。
はじめは命令だった。今は、私の願いだ。
戦乱と陰謀に傷つきながら、心を得た魔導機兵が、自らの意志で生きる道を選び取る長編ダークファンタジー。
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