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桐生 亜久夜 2025/07/07 公開 2025/07/17 18:00 更新
「お帰りなさいませ、ニーヒルさま!」
森の奥、白い館。ぱたぱたと足に纏わりつく手箒、優しく揺れるロッキングチェア、美しい歌声で起こしてくれるカーテン――主の帰りを待ち続けた遺物たちが、彼を「お帰り」と迎えた。
十九歳の大学生・花園蘭は、親も知らない施設育ちの青年だった。奨学金で大学に通い、バイトに明け暮れる日々。どこにいても感じる疎外感を抱えたまま――そんな彼の前に、銀尽くめの怪しい男・ギンレイが現れる。
「君は魔女ニーヒルの転生体だ」
「魔女を継がないと、国が滅ぶ」
ギンレイはそう一方的に告げ、蘭の生活に強引に入り込んでくる。
胡散臭いギンレイの言葉を信じられずにいた蘭だったが、彼が持参する不思議な道具の数々――勝手に洗濯する桶、自動で鳴る鐘、完璧に調理する石板――に徐々に興味を惹かれていく。
そして遂に、ギンレイに誘われるまま深い森の奥にある白い館を訪れる。そこで蘭を待っていたのは、想像を絶する光景だった。
遺物たちは皆、前世であるニーヒルを慕い、転生体である蘭の帰りをずっと待ち続けていたのだった。
初めて感じる「帰ってきた」という安らぎ。だがその居場所は、彼が魔女になることと引き換えでしか手に入らない。
【作者より】
一周年を機にエピソードを全面改定しました。それに伴い話数が変更しています(全13話→全12話)。大筋に変更はありません。
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