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熾星 2026/10/24 公開 2026/10/24 14:00 更新
妹の莉奈が持病を悪化させ、再び花沢中央総合病院に入院した。
莉奈は幼い頃から入退院を繰り返していたが、今回は息をするのも苦しそうだった。医師も、まずは容体を安定させる必要があると言っていた。ベッドに横たわる妹を見ながら、母は私の手を握った。
「美咲、お願い。莉奈を助けてあげて。お姉ちゃんでしょう?」
母がバッグから取り出したのは、銀白色の腕輪だった。私がつければ莉奈の病気が少しずつ軽くなるという。私はその言葉を信じ、腕輪を手首にはめた。
三か月後、莉奈は自分で歩けるまでに回復した。頬に血色が戻り、以前のように笑うようになった一方、私はコップ一杯の水を持つことさえつらくなっていた。
病院へ連れていってほしいと頼んでも、母はネットで見つけた怪しげな民間療法ばかり試した。足の裏に生姜を貼り、指先を針で刺して悪い血を出せばいいと言う。真夏に高熱を出したときには、厚い布団を三枚もかけられた。
死ぬ少し前、部屋の外から母の声が聞こえた。近所の人と話しているらしい。
「あの病気を移す腕輪、本当に効くのよ。莉奈、すっかりよくなってね。美咲は昔から丈夫だし、妹の病気を少しくらい引き受けたって平気でしょう?」
私は手首に残った赤い跡を見つめた。
母は知っていたのだ。あの腕輪が莉奈の病気を私に移していることを。
その蒸し暑い夏の夜、私は息を引き取った。
再び目を開けたとき、そこは見覚えのある病室だった。窓の外には灰色がかった空が広がり、莉奈は酸素チューブをつけて眠っている。
そして目の前では、母があの腕輪を差し出していた。
「美咲、これをつけて。お願い、莉奈を助けてあげて」
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