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かれら 2025/02/28 公開 2025/03/10 21:26 更新
−−−−完結致しましたありがとうございます。−−−−
江ノ島駅近くの路地裏に佇む、小さなカフェ「ミルテ」。
潮風が運ぶコーヒーの香りと、時折響くピアノの音が、静かに人々を迎える。
かつて都心で働いていた潮見 遥は、心をすり減らすような生活に終止符を打ち、片瀬海岸へ移り住んだ。
自分の居場所を探すように、偶然足を踏み入れた「ミルテ」で、彼は店を営む高宮 琴音と出会う。
真面目でどこか不器用な彼女は、かつてピアノに触れていたが、今はその鍵盤から遠ざかっていた。
遥は彼女の静かな瞳の奥に、過去への迷いと、小さな炎が揺れているのを感じる。
カフェのアルバイトとして働くうちに、遥は「自分にできること」を考え始める。
それは、彼女にもう一度ピアノと向き合ってほしい という願いだった。
そして、琴音もまた、遥のコーヒーの味を通して、彼が探し求めていたものに気づいていく。
「あなたのコーヒーは、エスプレッソより、少しだけ甘い」
心に少しの苦みを残しながらも、ほんの少しの甘さが溶け込むような時間。
それは、誰かのためではなく、自分のために音を奏でること。
それは、答えを求めるのではなく、自分の味を見つけること。
——音と香りが重なるとき、ふたりの世界は、静かに色づきはじめる。
これは、迷いながらも前に進むふたりが織りなす、
瑞々しくも繊細で、ほんの少し甘い物語。
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