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rimuru the jūto 2026/07/30 公開 2026/09/21 12:28 更新
器《ホルダー》。
奪うことはできない。
意志そのもの――魂そのものに結びついた力。
この力が渡る道は、ただ一つ。与えられたときだけ。
ヴォルティアナ族が世界を支配している。比類なき知性と軍事力を誇る魔法の種族。自らの同胞以外のすべてを憎む暴君ども――とりわけ、人間を。
母の病により、ダチー・ジョーンズと弟は祖父のもとへ送られた。その祖父を守るため、ダチーはヴォルティアナの王女を斬り伏せる。
二人はそろって牢へ落とされた。
死か、隷属か。
選べる道など初めから一つしかない。故郷へ帰り着くその日まで、ヴォルティアナ軍に仕えるのだ。
やがてドワーフどもが、帝国で最も堅固な区へと攻め込んでくる。狙いはただ一人の人間の少年。
その身の内に埋もれていたものが、白日の下に晒される。
何者にも奪えぬ力。
本人とともに滅びる力。
手に入れる方法はただ一つ――本人に「是」と言わせること。
世界の悪党どもがその力を握るより先にと、一人、また一人と、我先に名乗りを上げていく。
だが答えを握っているのは、影からすべての陣営を操る恩恵者《ベネファクター》たちだけらしい。
そしてダチーには、はっきりと見えてくる。
暴君を滅ぼすか。暴君とともに、世界のすべてを敵に回すか。
――だが、ダチーの狙いは別にある。
この戦争を、別のやり方で終わらせる。そして、愛する家族のもとへ帰るのだ。
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