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狭山ひびき 2026/05/01 公開 2026/06/14 22:10 更新
「殿下のご命令だから受け入れたが、俺は君を愛するつもりはないし、妻として遇する気もない。ここでの生活は認めるが、俺に迷惑はかけないでくれ」
シャルリーヌは結婚式を迎えた日の夜、寝室にやって来た夫にそう言われた。
それから1年。
家の主人である夫に顧みられないシャルリーヌは、使用人たちからも見下され、肩身の狭い思いをして生きていた。
夫は王太子の側近であるため城に部屋を賜っていて、家には滅多に帰って来ない。
日々の食事すら用意されないこともある、囚人のような生活に、シャルリーヌの心は限界に達していた。
(もう我慢できないわ。ディアーヌ様の顔を立てるために我慢してきたけどもうたくさん)
ディアーヌも、一年も白い結婚を続けていたと知れば離縁を認めてくれるだろう。
シャルリーヌは夫と離縁する意思を固め、休職中の侍女の仕事に戻ろうと決意する。
そして、城で暮らす夫へ向けて手紙を書いたのだが――何故か彼は、血相を変えて帰って来て、シャルリーヌを部屋に閉じ込めてしまった。
それどころか、シャルリーヌを虐げていた使用人たちを次々と解雇しはじめて、生活の面倒を自分が見ると言い出して…?
いったい何が起こったのか。
夫から逃げ出したいシャルリーヌは、閉じ込められた部屋の中で考える。
彼は本当に夫だろうか。
いったい何が起こったのか。
シャルリーヌは知らない。夫に、一度目の人生の記憶が蘇ったことを――
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