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くろめがね 2025/12/15 公開 2026/08/09 19:25 更新
目が覚めたら、畑だった。
名前も、立場も、理由も分からない。
ただ――数式を書き、言葉を分解し、仕組みを説明できる感覚だけが残っていた。
村人たちは彼を「先生」と呼んだ。
剣も魔法も使えない先生が教えるのは、
算術、自然科学、読み書き、契約、衛生――
つまり、生き延びるための知識。
畑の面積を測り、収穫を数え、
水路を引き、病を防ぎ、村は少しずつ豊かになっていく。
だがこの農村では、
労働力とは「人」であり、
人とは「産み、働き、減るもの」だった。
性は生活であり、
妊娠は祝福であり、
同時に労働力の管理対象でもある。
先生は、淡々と教える。
測ること、数えること、分けること。
そして――判断すること。
教育が進むほど、
村は整い、
人は救われ、
逃げ場はなくなっていく。
これは、
農村を発展させ、都市と繋ぎ、
世界を変えてしまった教育の物語。
そして最後に明かされるのは、
「先生」とは何者なのか、
なぜ名乗らなかったのか、
そして教育が残した“最も暗い答え”。
チョーク一つで世界を変える――
その代償を、あなたは最後まで見届けられるだろうか。
他のチョークシリーズも連載始めました。
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