歴史 短編

淀橋のふたり

ぴち 2023/12/08 公開 2023/12/13 19:10 更新

あらすじ

万延元年のこと。
町居の剣術家は廃墟に出るという幽霊のうわさ話を聞いた。
江戸の庶民は物見遊山のつもりで廃墟に押し掛け、夜半に町の戸を出ているのも問題あるし、留守の長屋に泥棒が入るというので番所の同心が追い払いに来る始末だという。

町の名主に幽霊退治を頼まれた剣術家は、件の廃墟に残された絵を発見し、描かれた美人像に一目惚れしてしまう。
家に持って帰るか? いやしくも武士がそんな盗むような真似はできない。寝食も忘れ、廃墟で独り、つい何刻もこの絵を見つめてしまうのだった。

そのうち、この廃墟の幽霊は男女1人ずつ、薄幸そうな女と、浪人風の男の幽霊だという噂に変化した。
ある町民は確かに幽霊を見たと言い張った。幽霊はふたりいたのだと。

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