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ひげくま 2026/05/05 公開 2026/05/27 21:28 更新
大地は汚染され、人は空に浮かぶ都市でしか生きられなくなった。
だが、浮遊都市も永遠ではない。
都市核の劣化により、都市は少しずつ高度を失い、外縁区画を切り離して延命している。
浮遊都市オルディナの下層外縁区に暮らす整備見習い、ノア・アークライト。
彼の住む第七外縁区は、都市を軽くするため、廃棄対象に指定された。
移送枠は足りない。
力のある大人、資格を持つ職人、都市に必要な人材から順に上層へ移される。
残されたのは、孤児、病弱な子、まだ働き手として数えられない幼い子供たち、そして彼らを見捨てられなかった数人の大人だけだった。
ノアは、子供たちを救う方法を探し、区画地下の旧市街層へ潜る。
そこで見つけたのは、忘れられていた旧式補助都市核。
切り離しの日。
第七外縁区は空の底へ落とされる。
都市核は、完全な浮遊には失敗した。
けれど、シールドを張り、落下衝撃と落骸海の汚染から、わずかな生存圏を守った。
空へ戻る力はない。
だが、空の底で生き延びる力はある。
落とされた区画は、落骸海の底で、小さな独立移動都市として動き出す。
水も足りない。
食料もない。
都市核は不安定。
それでも落骸海には、過去に落とされた都市、塔、庭園、工房、学校、神殿の残骸が眠っている。
ノアたちは、それらをサルベージしながら、箱庭のような小さな都市を少しずつ育てていく。
捨てられた子供たちの避難場所は、やがて空の底を進む領地となる。
そしてノアは知る。
なぜ都市は落ち始めたのか。
なぜ地上は汚染されたのか。
なぜ旧式都市核は、忘れられていたのか。
これは、捨てられた下層区画を、落骸海の底からもう一度空へ帰す物語。
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