ポイント
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
読者の反応
- ブクマ
- 1
- 感想
- 0
- レビュー
- 0
- 評価者数
- 6
- 平均評価
- 8.67
- 週間読者
- 0
ブクマと評価ポイントの推移
日別の値
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
総合ランキングの推移
順位を読み込んでいます…
uta 2026/10/07 公開 2026/10/07 20:00 更新
「お前の仕事など、朝晩に鍵を回すだけだろう?」
世界の季節を巡らせ、魔物を抑える聖なる巨大オルゴール〈創世機関〉。その調律聖女を十二年務めた公爵令嬢アルディス・ヴェルトーレは、婚約者の王太子から、たった一言でその役目を奪われた。
「かしこまりました。では、本日をもって保守を終了いたします」
彼女は深々と一礼し、全長七十二センチの巻鍵を床に置いて去っていく――その置き角度を、ほんの少しだけ調整して。
前世は過労死したメンテナンス技師。九歳で転生した彼女の目に、神の遺産と崇められる創世機関は「定期点検を十年怠った巨大プラント設備」としか映らなかった。以来十二年、毎朝六時。櫛歯の沈下〇・〇二ミリ、ガバナーの回転誤差〇・二二%。誰にも読まれない点検記録を、四千三百ページ書き続けてきた。
引き継ぎ書三百十二枚は「そんな紙束、誰が読むか」と受領を拒否された。有能な家令ハウゼルは、その拒否印の写しを静かに確保している。
「記録のない作業は、存在しなかったことになりますので」
聖女が耳を閉じたその日から、世界の音はゆっくりと狂いはじめる。摩耗したピン。死にゆく櫛歯。止まりゆく季節。そして誰も、止め方を知らない。
追放された彼女が向かうのは、機関の最深部――誰も知らない〈第零区画〉。そこには、はるか昔に同じ仕事をしていた「前任者」の痕跡があった。
これは、報われなかった地道な仕事に光を当てる物語。
保守契約、十二年分まとめて解約いたしますね。
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
順位を読み込んでいます…