現実世界恋愛 完結・全10話

コスモスしか知らない

寺和田 六朗 2025/05/02 公開 2025/05/11 14:00 更新

あらすじ

 知的美人で感性豊かな「瀬尾美奈子」は、高校生の時に同学年の美術部の「漆原隆」の描いた絵が気に入り貰い受ける。後日の感想文には、隆の作品は「梶井基次郎」を絵にしたようだと思いがけない感性の賞賛が書かれていた。
 隆は美奈子を意識することになり、卒業後三年ぶりに母校の文化祭で再開すると、写真のモデルをお願いし、哲学堂公園でポートレートを撮影する。その最中に美奈子から好きな花を聞かれて、コスモスしか知らないと答える。

 大学卒業は渋谷のライブハウスの専属カメラマンの仕事や、デザイン事務所に勤務して、写真やデザイナーとして暮らしていた隆は、結婚もし、出来上がった美奈子の作品を渡せないまま時が流れる。
 親友の建築士の「風間英一」と日本でのビルマ風寺院の建設プロジェクトで度々バガンを訪れていたが、そのために立ち寄っていたタイの寺院で美奈子と14年ぶりに再開した。夫とのこじれた別れ話で憔悴していた美奈子をバガンに誘い、三人でバガンを訪れる。
 美奈子はバガンの遺跡群を目にし、様々な寺院をめぐり、仏陀像を拝むことで傷ついた心を癒すことができた。
 哲学堂公園で隆が撮影した自身の写真を見て隆の愛情も感じ、夜の川辺で満天の星の下で抱擁し、ホテルの部屋で結ばれる。
 しかし、妻子のある隆は美奈子との関係を続けることは出来ず、それを理解する美奈子も隆と別れることを決める。

 英一の建築事務所の仕事は設計施工業界の不条理な慣習に苦しめられて厳しい状況だったがバブル景気の到来で、業績が盛り返し、更に設計コンペで入賞する。
 隆も、39才にして写真作品が入賞し、ビルマの人々や女性のポートレートの作品を中心としたと写真展を開催した。

 会場の片隅ではあったが過去の美奈子の写る作品も展示し、届くかどうか不明だったものの案内状を送ってみたが宛先不明で戻ってきた。
 はたして美奈子はやってくるのであろうか。

(全10章構成)

注)地名表記について
ビルマ(現ミャンマー)関連の地名表記は、本小説の設定時代に合わせて、当時の呼び方で記しています。

ビルマ → 現ミャンマー
ラングーン → 現ヤンゴン
パガン → 現バガン


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11/02 1 ±0 10 ±0
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