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辺歩 2026/04/20 公開 2026/05/22 15:00 更新
ローマ帝国の影に寄り添うように、一つの王国があった。チグリス川のほとりに都クテシフォンを構えるサーサーン朝ペルシアである。
その宮廷に、片目を失いながらも槍と馬を自在に操り、将兵と民から深い信を寄せられる王子がいた。名はザメス。血筋も勇名も申し分なく、しかし身体に欠損のある者は王たりえぬとする古き法の前に、彼は最初から王位の外側に立たされていた。
法に守られた長子カオセス、武勇において群を抜くザメス、そして王が格別の愛情を注ぐ末子ホスロー。宮廷と戦場、法と慣習、血統と才覚。そのすべてが王位継承という一点に収束していく。
隻眼の将ザメスが守ろうとするものは、揺らぐ王家か、疲弊する兵と民か、それとも自らの信じる正しさか。王の愛と貴族たちの期待、古くからの法と新たな策謀が絡み合う中で、彼の選ぶ一歩一歩が、やがて二つの国の運命に影を落としていく。六世紀の東西世界を舞台に、プロコピオスの戦史に記された数行の記録から、一人の将の生をたどる。
※本作は史実を基にしつつも、創作上の改変を含む。
* * *
全12話。完結致しました。
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