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結史 2026/10/10 公開 2026/11/01 18:00 更新
ただ、愛する人のもとへ帰りたかった――その願いが、歴史を変えた。
二〇〇五年八月六日。
高校一年生の片瀬慶介は、靖國神社を訪れていた。
遊就館で零戦や戦争の記録を眺めるうち、知らないはずの風景が脳裏をよぎる。海、飛行場、搭乗員――そして、一人の少女。
白い光に包まれ、次に目を覚ました時、そこは昭和四年――一九二九年の愛媛だった。
十一歳の農家の少年・越智啓介。
その身体には、この時代を生きてきた記憶と、二〇〇五年まで生きた片瀬慶介の記憶が、なぜか同時に存在していた。
そして彼は、幼馴染の少女・村上奈々と“もう一度”出会う。
笑い、喧嘩をし、祭りへ行き、将来を語り合ううちに、啓介はこの少女と過ごす日々が、かけがえのないものになっていく。
しかし啓介だけは知っていた。
この先、日本が戦争へ向かうことを。
多くの人々が帰らなくなることを。
そして十六年後の八月六日、広島で何が起こるのかを。
「うちをほっといたらだめだよ」
奈々と交わした約束を胸に、啓介は海軍への道を選ぶ。
未来を知っているからといって、何でもできるわけではない。
一人で歴史を変えることなどできない。
だからこそ彼は、人と出会い、人をつなぎ、仲間とともに、少しずつ歴史へ抗っていく。
一人でも多く、大切な人のもとへ帰すために。
そしていつか、自分も奈々のもとへ帰るために。
一人の少女を深く愛した少年の願いは、やがて戦争を、歴史を、そして八月六日の運命そのものを変えていく。
これは、愛する人との約束を守るため、歴史と運命に抗い続けた一人の男と、その男を信じて待ち続けた一人の女の物語。
※本編は完結まで執筆済みです。連載開始後は毎日更新予定です。
※本作は「カクヨム」にも掲載しています。
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