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美勢 2025/06/04 公開 2025/10/27 22:19 更新
白い壁に赤い屋根、色褪せた茶色い扉。
目の前に佇むのは古く年季の入った西洋風の大きな館。海外のホラー映画にでも出て来そうな外観なのに、不思議と怖さは無い。
正門から館の入り口まで続く白いタイル。広い敷地には丁寧に管理された芝生が一面に広がっている。庭の所々に置いてある羽の生えた人型の石像は不気味だが、それら全てを囲う大きな木々が館を美しく引き立てている。
とても美しく、海外や異世界を連想させる開放感のある場所…………。
館と広い庭を囲う木々をさらに囲う高く大きな鉄格子の柵。そして高く大きな鉄の正門。
到底よじ登ることの出来ない、高さ約六メートル程の『鉄の檻』だ。
まるで、ガラスの水槽に捕らわれた金魚の如く。あるいは鳥籠に飼われた小鳥の如く。鉄の檻の中は、監獄の中の囚人にでもなった気分にさせる。
この巨大な鉄格子の柵を越えることは安易ではない、けれど不可能なことではない。
自力でよじ登るためにロープやはしごを使ったり、試行錯誤しながら誰かと協力をすれば、ここから出ることなど簡単だ。
――この時はまだ知りもしなかった。
足を踏み入れてしまえば最後。私達はここ(鉄の檻)から出られないということを……いや、自らの意思で出ない選択をした、が正しいのかもしれない。
だが、もう引き返せない。
何故なら私を含む十三人の招待客は、既に館の中へ足を踏み入れてしまったのだから。
そして、正門(鉄の門)閉められた。
十二歳の少年が薄気味悪い笑みを浮かべ、私を館の中へ招く。
古く年季の入った館の中で、暗い夜の様な館の中で、がんじがらめな館の中で、薄気味の悪い笑みを浮かべた少年が佇む。
そこで出会った一人の美しい少年はいった。
「皆さん、天国へようこそ! 僕は『アベル』と申します! どうぞよろしくお願いします! 突然ですが、皆さんは明日地球が滅亡するとしたら、最後に何がしたいですか?」
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