純文学 短編

見返り美人に戀して~古稀語り1~

驟雨歩夢 2024/01/02 公開 2024/01/02 15:44 更新

あらすじ

古稀70歳を迎えた男は、元禄時代の浮世絵『 病にかかっていて、見返り美人』に恋してしまう。パーキンソン病にかかっていて、歩くのも不自由だ。己の死への恐怖から逃れるために、無意識が大それた恋に走らせたのであろう。見返り美人は、美術展の豪華なカタログの印刷物の神を裂き、土から出てくる土竜のように、可憐な姿を現した。男は天の声に動かされるように、現在のこの世で逢瀬を繰りかえすが決定て居な心の癒し流行ってこない。彼女のほうにも、江戸元禄の社会規範があり、ためらいがある。しかも、妻の態度も意味深である。夫の老いらくの戀を応援しているようにも見えるが・・・・・・。見返り美人は、元禄時代から、菱川師宣の浮世絵として、時空を超えて21世紀の日本に現われ、印刷物となり、そこから抜け出して、男と触れ合っているのだ。時間の経過、疲労は重なるばかりであった。とうとう、彼女は、命をけずり、カタログの中から時間と空間をスリップして帰っていく。男は、自分にとって女の存在が生きる上でいかに重要ないみをもつか、おぼろげに身に沁みるように感じられるのだった。

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