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たかつど 2025/09/09 公開 2025/09/20 01:13 更新
朝靄を裂くのは、荒々しい男の声だった。
「松下の旦那、今月の利息はどうなさるおつもりで?」
玄関先に正座する花蓮の視界には、二人の影が威圧的に立ちはだかっている。ひとりは大きな腹を揺らし、もうひとりは蛇のような眼でこちらを睨む。冷たい空気よりもなお冷ややかな視線に、花蓮かれんの肩は小刻みに震えた。
江戸の町の片隅、祠に封じられた異形の神――「神喰い」が目を覚ますと、そこには貧乏旗本の娘・花蓮がいた。
「家が没落寸前でして……神様、私と結婚してください」
彼女の願いにより、異形の神と花嫁の契約結婚が始まる。表向きは「神の花嫁」として祠の巫女になることにした花蓮だが、実は神喰いの力を借りて、自分の家を再興するつもりだった。
だがこの神様、過去に人間に裏切られ、心を閉ざしている。
口は悪いし、見た目も人外で、ちっとも「夫らしくない」。
それでも徐々に惹かれ合う二人。
そんな中、花蓮が「神の花嫁」となることで復活しつつある「旧き神々」が人の世に災厄をもたらそうとする。
彼女は「契約花嫁」として、そしてただの人間として、神と人のあいだに立ち向かう。
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